USPとは?自社の強みを活かし競合差別化で集客に繋げる方法を解説|【公式】東京のSEO対策専門会社|WEB集客なら翔進
USPとは?自社の強みを活かし競合差別化で集客に繋げる方法を解説

USPとは、自社だけが特定の顧客に約束できる独自の価値提案のことです。Unique Selling Propositionの略で、日本語では”独自の販売提案”と訳されます。

「商品には自信があるのに、問い合わせが増えない」
「相見積もりになると、最後は価格で負ける」

こうした相談を受けるとき、原因が本当に強みの不在にあるケースはあまり多くありません。強みはある。ただ、それが顧客にとっての”選ぶ理由”に翻訳されていないだけ、という状態がほとんどです。

この翻訳作業がUSPの設計にあたります。そして翻訳を済ませた企業は、Webサイトの文言も、狙う検索キーワードも、営業の話し方も、すべてが同じ方向を向くようになる。

この記事では、USPの意味と3つの条件から、自社の強みを1文に落とし込む5ステップ、有名企業の事例、よくある失敗、そしてWebサイトとSEO対策への反映方法までを扱います。

SEO対策会社として実際にクライアントのUSP設計に関わっている立場から、机上の理論ではなく手を動かせる形でまとめました。

USPとは?意味と読み方をわかりやすく解説

USPという言葉は広告・マーケティングの現場で長く使われてきましたが、意味が人によってずれたまま会話されていることが多い用語でもあります。”うちの強み”とほぼ同義で使う人もいれば、キャッチコピーのことだと理解している人もいる。

この章では、まず言葉の定義を正確に押さえます。そのうえで、提唱者が定めた3つの条件と、混同されやすい類語との違いを整理します。ここを曖昧にしたまま作業に入ると、後のステップで必ず迷いが出ます。

USPの意味と読み方(Unique Selling Propositionの略)

USPは”ユーエスピー”と読みます。Unique Selling Propositionの頭文字を取ったもので、直訳すると”独自の販売提案”。

三つの単語がそれぞれ役割を持っています。Unique(独自の)は競合が言っていないこと、Selling(販売の)は買う理由になること、Proposition(提案)は顧客に向けた約束であること。この3つが揃って初めてUSPと呼べます。

なお、USPという略語には拳銃の型番など別の意味もありますが、この記事ではマーケティング用語としてのUSPだけを扱います。

USPは”自社の自慢”ではなく”顧客への約束”

もっとも多い誤解が、USPを自社の特徴リストだと考えてしまうことです。

“独自の最先端技術を搭載””創業50年の実績””有資格者が多数在籍”。これらはすべて売り手側から見た特徴であって、買い手にとっての利益に変換されていません。顧客の頭の中には「だから何が良くなるのか」という疑問が残ったままになります。

わかりやすいのが飲食店の例です。

  • ただの特徴 → おいしいコーヒーを提供しています
  • USP → 仕事に集中したい人のための、静かで長居できるカフェ

“おいしいコーヒー”はどのカフェも言っています。一方、後者は対象を絞り、その人が得られる状態を約束している。同じ店の同じ設備を説明していても、顧客が自分ごととして受け取れるのは後者だけです。

USPかどうかを判定したいときは、「これを読んだ顧客は、自分に何が起きると理解するか」を問い直してみてください。答えが出てこなければ、それはまだ特徴の段階にあります。

ロッサー・リーブスが定義したUSPの3つの条件

USPは1940年代から60年代にかけて活躍したアメリカの広告人、ロッサー・リーブスが提唱した概念です。彼は著書『Reality in Advertising』のなかで、成果を上げた広告に共通する要件を3つ挙げました。

①顧客への提案になっていること

商品の説明や語感の良いスローガンではなく、「これを買えば、あなたはこの利益を得られる」という具体的な約束が示されていること。

②その提案に独自性があること

競合が提供していない、あるいは提供できていても前面に打ち出していない内容であること。すでに他社が押さえているポジションを後追いしても埋もれます。

③提案が強力であること

独自であっても、顧客がどうでもいいと感じる違いには意味がありません。多くの人を動かすだけの魅力を伴っている必要があります。

現代の市場に当てはめると、③がとくに難所になります。他社がやっていない何かを見つけること自体は難しくない。それが顧客の購買判断を動かすほど重要かどうか、という検証が抜け落ちやすいためです。

USPと”強み・差別化・コンセプト・ベネフィット・UVP”の違い

似た言葉が多く、社内の議論が噛み合わなくなる原因になります。整理しておきます。

用語意味USPとの関係
強み自社が得意なこと、保有する資源や技術USPの材料になる
差別化競合との違いをつくる戦略全般USPは差別化の結果を言語化したもの
コンセプト商品やブランドの基本的な考え方USPより広く、内部向けの指針も含む
ベネフィット顧客が得られる利益USPの構成要素のひとつ
UVP顧客が受け取る独自の価値提案USPとほぼ重なるが、販売より価値認識を重視
キャッチコピー価値を印象的に伝える表現USPを伝えるための手段

実務上とくに注意したいのが、強みとUSPの混同です。強みは複数あっていい。しかしUSPは、そのなかから顧客にとって最も重要で、かつ競合が言っていないものを1つ選び取った結果を指します。

キャッチコピーとの関係も誤解されがちです。USPが中身、キャッチコピーが見せ方。中身が固まっていないまま表現だけを磨いても、耳あたりの良い言葉ができるだけで終わります。

なぜ今USPが必要なのか。違いが伝わらない商品は価格で比較される

USPの重要性は昔から語られてきましたが、Webでの集客が主戦場になってから切実さが増しました。顧客が競合を並べて比較する手間が、ほぼゼロになったからです。

この章では、USPがない状態で何が起きるのかという構造を先に押さえ、そのうえで明確にした場合に何が変わるのかを見ていきます。危機感を煽るためではなく、自社がどの段階にいるかを判断するための材料として読んでください。

違いが伝わらない商品は、価格でしか比較されない

顧客が複数の会社を検討するとき、頭の中では「何を基準に選ぶか」の探索が起きています。そのとき各社の違いが理解できなければ、判断軸として残るのは価格と納期くらいしかありません。

これがコモディティ化と呼ばれる状態です。商品そのものの質が同じでなくても、顧客から見て違いが認識できなければ、同じものとして扱われる。

そして価格勝負に持ち込まれたとき、体力で押し切れるのは大量生産と徹底したコスト削減ができる一部の企業だけです。リソースの限られた中小企業が同じ土俵に上がると、利益率が削られて事業の継続そのものが危うくなります。

ここで押さえておきたいのは、USPは”高く売るための魔法”ではないという点です。あくまで、自社の価値に納得してくれる顧客と出会うための判断材料。値付けを正当化する道具として使うと、期待とのギャップが生まれて長期的には逆効果になります。

USPを明確にする4つのメリット

USPが定まると、社内外にいくつかの変化が生まれます。

メリット具体的に何が変わるか
競合との違いが伝わる価格以外の判断軸を顧客に提供でき、値引き交渉に入りづらくなる
ターゲットと訴求が定まる誰に何を言うかが決まり、コンテンツ制作の迷いが減る
発信が一貫するWebサイト、広告、営業資料、SNSの言うことが揃い、認知から問い合わせまでの齟齬が消える
判断軸ができる新サービスの企画や機能追加の是非を”USPに合うか”で決められる

ただし、USPを作れば自動的に価格競争から抜けられるわけではありません。成立には条件があります。顧客がその違いを重要だと感じていること、実際に提供し続けられること、そして根拠を示せること。この3つが欠けたUSPは、単なる宣言文で終わります。

USPの作り方5ステップ。自社の強みから独自の価値を導き出す

ここからが実践部分です。USPは会議室で思いつきを出し合っても生まれません。顧客・自社・競合という3方向の情報を集めて、その重なりを探す作業になります。

以下の5ステップは、順番に意味があります。多くの企業がステップ2(自社の棚卸し)から始めてしまい、自社目線のリストができあがって行き詰まる。出発点は必ず顧客側に置いてください。

【ステップ1】顧客と利用シーンを具体化する

最初に決めるのは、誰の、どの場面の、どの困りごとを解決するのかです。

業種や企業規模といった属性だけでは足りません。その顧客が購入を検討し始めたきっかけ、抱えている不安、いま使っている代替手段まで踏み込みます。

材料になるのは、既存顧客へのインタビュー、受注時のやり取りの記録、口コミ、問い合わせフォームに書かれた文面、そして検索クエリです。特に既存顧客への「なぜ当社を選んだのか」というヒアリングは、自社が想定していた理由と実際の理由がずれていることを教えてくれます。

ここで対象を広げすぎると、メッセージが平均化して誰にも届かなくなります。まずは1つの顧客像に絞り込んでください。

【ステップ2】自社の強み・実績を棚卸しする

次に、自社が持っているものをすべて書き出します。技術、経験年数、工程の特徴、対応スピード、対応範囲、保証、立地、有資格者、専門領域、設備。

このとき”創業50年”で止めないこと。50年続いていることが顧客にとって何を意味するのかまで掘ります。過去の失敗事例の蓄積があるのか、廃番部品の在庫があるのか、地域の事情に詳しいのか。そこまで下りて初めて材料になります。

弱みも一緒に書き出してください。表裏の関係にあることが少なくないためです。

  • 弱み → 職人の手作業なので納期がかかる
  • 反転 → 機械では再現できない仕上がりを、1点ずつ確認して納品している

自社にとって当たり前すぎて価値だと気づけていないことは、外から見ると希少だったりします。だからこそ、社内だけで判断せず顧客の言葉を材料にする必要があります。

【ステップ3】競合と代替手段を調べる

自社の強みが競合とかぶっていれば、それは独自性になりません。

ここでの調査対象は、検索上位の同業他社だけではありません。比較サイト、SNSでの言及、営業現場で名前が挙がる会社、そして”自社でやってしまう””何もしない”という代替手段まで含めます。

見るべき軸を揃えておくと比較しやすくなります。

調査軸確認する内容
対象顧客誰に向けて発信しているか
約束している価値ファーストビューで何を言っているか
根拠実績、数字、事例をどう見せているか
価格・納期公開しているか、していないか
保証・アフターどこまで面倒を見ると書いてあるか
不得意領域触れていないこと、断っていること

探すべきは、競合ができることではなく<b>できていないこと・していないこと・軽視していること</b>です。多機能をうたう会社が並ぶなかでサポートの遅さに不満が集まっているなら、そこが空白地帯になります。

【ステップ4】顧客ニーズ×自社の強み×競合との違いの重なりを探す

3方向の情報が揃ったら、重なる部分を探します。顧客が求めていて、自社が提供でき、競合が押さえていない領域。ここがUSPの候補地です。

単独の要素で業界一番になれる企業は多くありません。そこで有効なのが掛け合わせです。

品揃え単体では大手に勝てなくても、”シニア向けフィットネス器具に特化 × 24時間の出張修理 × 3年保証”と重ねれば、追随しにくい位置が生まれる

候補が複数出たら、持続性を検証します。整理には既存のフレームワークが使えます。

フレームワーク使いどころ
3C分析顧客・自社・競合の重なりを図で整理する
バリュープロポジションキャンバス顧客の課題と提供価値の対応を細かく確認する
VRIO分析その強みが模倣されにくく、続けられるかを検証する

フレームワークは思考の補助線であって、埋めること自体が目的ではありません。候補が絞れているなら、無理に全部を使う必要はないです。

【ステップ5】ベネフィットに翻訳し、1文で言語化する

最後に、抽出した強みを顧客が得られる結果に翻訳し、短い1文にまとめます。

  • 翻訳前 → 当社の冷凍技術は食品の細胞破壊を抑えます
  • 翻訳後 → 解凍してもドリップが出ない、作りたての食感のまま届く冷凍サービス

顧客が欲しいのは技術そのものではなく、その技術がもたらす状態です。

言語化に迷ったら、次の型に当てはめてみてください。

<b>[対象顧客]に、[競合との違い・根拠]によって、[得られる結果]を提供する</b>

型に沿って書き直した例です。

  • 改善前 → 高品質で丁寧なSEO対策
  • 改善後 → 地域密着型のサービス業に、商談につながる検索キーワードを絞り込み、記事制作から改善までを一気通貫で支援する

改善前の文は、どのSEO会社が名乗っても違和感がありません。つまり独自性がゼロです。改善後は対象と提供範囲が限定されており、当てはまらない読者は離れますが、当てはまる読者には強く刺さります。

完成したUSPを検証する5つのチェック項目

書き上げたら、次の項目で確認してください。ひとつでも「いいえ」があれば、その部分を作り直します。

  • [ ] その内容は、顧客にとって重要か(自社が誇りたいだけではないか)
  • [ ] 競合が言っていない、または言えないことか
  • [ ] 一読して意味がわかるか(説明に3分かかっていないか)
  • [ ] 数字・実績・仕組みで証明できるか
  • [ ] 自社が継続して提供し続けられるか

【ダウンロード可】USP作成ワークシート

ここまでの5ステップを記入していけるワークシートを用意しました。顧客像の定義欄、強みの棚卸し欄、競合比較表、掛け合わせの検討欄、そして最終的な1文を書き込む欄まで、そのまま埋めれば形になる構成にしています。

社内のワークショップでも使える形式なので、経営者ひとりで考え込まずに、営業やカスタマーサポートの担当者を交えて記入してみてください。現場が知っている”お客様によく言われること”が、USPの種になることは珍しくありません。

USPの事例5選。何が”選ばれる理由”になったのか

有名企業のコピーを並べるだけの事例紹介は、読んでも自社に応用できません。ここでは各社の事例を、対象顧客・当時の課題・独自性・顧客が得る結果・証拠という要素に分解して見ていきます。

なお、企業の施策は時代とともに変わります。過去に展開されていたものについては、その旨を明記したうえで扱います。

M&M’Sは商品の不便を解消する約束に絞った

チョコレートは手に持つと溶けて指が汚れる。誰もが仕方ないと受け入れていた不便に対して、砂糖でコーティングするという方法で答えを出しました。

打ち出したのは”お口でとろけて、手にとけない”という一文です。味の良さではなく、扱いやすさに焦点を当てている点が要になります。

<b>分解すると</b>、対象は子どもとその親、課題は手やものが汚れること、独自性はコーティング技術、得られる結果は場所を選ばず食べられること、証拠は商品そのものが持つ物理的な特性。約束を体験で確認できる構造になっています。

ドミノ・ピザは味ではなく”待たされない”に特化した

宅配ピザが遅い・冷めるのが当たり前だった時代に、時間そのものを商品にしました。アメリカで展開されたのが”30分以内に届かなければ無料”という保証です。

味で勝負しなかったことが重要な点になります。顧客が最も不満に感じていたのは味ではなく、いつ来るかわからない不確実さのほうでした。

ただし、この保証は配達を急ぐことによる交通事故が社会問題化したため、1993年に廃止されています。日本でも同様の割引施策が撤廃されました。現在の同社は配達状況を可視化する仕組みでスピードと安心感を提供しており、約束の届け方が時代に合わせて更新されている例と読むこともできます。

USPは一度作って永久に使えるものではない、という教訓としても参考になります。

ニトリは価格と品質を掛け合わせて独自の位置を作った

“お、ねだん以上。”というコピーが示しているのは、単なる安さではありません。安さだけを訴えれば、より安い店が現れた時点で優位性が消えます。

価格に対して期待を上回る品質、という<b>関係性</b>を打ち出したことで、価格勝負とは別の軸を作りました。ステップ4で触れた掛け合わせの典型例です。

QB HOUSEは工程を削ぎ落とし、時間価値に集中した

1996年に日本で始まったヘアカット専門店です。シャンプー、ブロー、髭剃り、指名といった従来の理美容室が当然としていたサービスを外し、カットだけに絞りました。所要時間はおよそ10分。

創業当時のカット料金は1,000円で、”10分・1,000円”という組み合わせが強い認知を獲得しました。その後の物価や人件費の上昇を受けて価格は改定を重ねており、2025年2月からは1,400円になっています。

注目したいのは、足し算ではなく引き算で独自性を作った点です。何を提供するかと同じくらい、何を提供しないかを決めることがUSPになる。時間をかけたくない層のニーズに絞り込んだ結果、既存の理美容室とは競合しない市場が生まれました。

イナバ物置は言葉ではなく実演で独自性を証明した

稲葉製作所の物置は、屋根の上に大勢の人が乗るテレビCMで知られています。”100人乗っても大丈夫”というコピーは、丈夫さという抽象的な価値を、目に見える形に置き換えたものです。

物置の頑丈さは、カタログの数値で説明しても伝わりません。そこで実演という方法を採ったことで、証拠と主張が一体になりました。

自社の強みが専門的で伝わりにくいとき、数値ではなく”見ればわかる形”に変換できないかを考えてみる価値があります。

【自社事例】SEO対策会社のUSPを改善した前後

参考までに、当社自身の例も挙げておきます。

以前は”SEO対策・Web集客支援”という一般的な打ち出しをしていました。問い合わせは来るものの、大手代理店と並べて比較され、価格で判断されることが少なくありませんでした。

ステップ3の競合調査で見えたのは、同業の多くが業種を限定せず、全国対応・総合支援をうたっている状況です。そこで対象を地域密着型のサービス業に絞り、上流のキーワード設計から記事制作、公開後の改善までを分けずに引き受ける体制を前面に出しました。

結果として問い合わせの絶対数は減りました。ただし商談に進む割合が上がり、価格だけを理由に離脱するケースが減っています。問い合わせを増やすことと、売上につながる問い合わせを増やすことは別の課題だと実感した経験でもあります。

USP作りでよくある5つの失敗

USPの重要性を理解した企業が、実際に作る段階で同じところにつまずきます。ここでは現場で頻繁に見かける失敗を挙げます。

自社で作ったUSPを手元に置きながら読んでみてください。当てはまるものがあれば、前章のステップに戻って修正します。

抽象語だけで終わっている

“高品質” “丁寧な対応””安心のサポート”。これらは競合も全員が言っています。読んだ顧客の側に、他社との違いは何ひとつ残りません。

抽象語を見つけたら、行動か数字に置き換えられないかを考えます。”迅速に対応します”ではなく”営業時間内の問い合わせには60分以内に一次回答します”と書けば、検証可能な約束になります。

顧客にとって価値のない珍しさを独自性と勘違いしている

他社がやっていないことを見つけただけでは足りません。リーブスの3条件でいえば、独自性はあっても強力さが欠けている状態です。

“業界で唯一、〇〇の資格を持つ社員がいる”という主張は、その資格が顧客の困りごとの解決にどう関わるかを説明できなければ、ただの内輪の話に見えます。

誰にでも売ろうとしてメッセージがぼやけている

対象を広げるほど反応が増えるように感じますが、実際には逆です。全員に向けた文章は、どの読者にも「自分のことではない」と受け取られます。

対象を絞ることで一部の顧客が離れるのは、想定内の結果として受け入れる必要があります。

自社が実行できない約束をしている

競合との差だけを見てUSPを決めると、運用が追いつかなくなることがあります。24時間対応をうたったのに実際は夜間の連絡が翌朝対応になっている、といったケースです。

守れない約束は、期待を裏切る分だけ何も言わないより悪い結果を招きます。

一度作ったまま検証していない

市場も競合も顧客の価値観も動きます。数年前に有効だったUSPが、いまは競合の標準装備になっていることもある。

USPは仮説であり、公開後の反応を見て更新していくものだと考えてください。

USPをWeb集客とSEOに活かす5つの方法

USPを作っただけで終わってしまい、Webサイトには反映されていない。この状態の企業がかなり多くあります。会社概要のページの下のほうに、経営理念と並べて置かれているケースをよく見かけます。

ここからが、SEO対策会社として最も伝えたい部分です。USPは掲げるものではなく、サイトの設計とキーワード戦略の起点として使うもの。具体的な落とし込み方を見ていきます。

ファーストビューで”誰に・何を・なぜ自社が”を伝える

サイトを開いた読者は、短い時間で自分に関係があるかどうかを判断します。スクロールせずに見える範囲で伝わらなければ、そのまま検索結果に戻られる。

ファーストビューに置くべき要素は4つあります。

  1. USP本体(誰に、何を約束するのか)
  2. 補足の一文(USPだけでは伝わらない前提の説明)
  3. 根拠の断片(実績数、対応年数、認定など)
  4. CTA(問い合わせや資料請求への導線)

“3秒で判断される”といった数字が広く引用されていますが、根拠が明確な調査に基づくとは限りません。秒数を断言するより、スクロールなしで理解が完結する設計になっているかを基準にしたほうが実務的です。

主張の直後に、数字・実績・顧客事例などの根拠を置く

USPは約束である以上、読者は必ず「本当か」と考えます。その疑いに答えるものが近くにないと、主張だけが浮きます。

根拠として使えるものを挙げておきます。

根拠の種類
数字導入社数、継続率、平均対応時間、改善率
顧客の声インタビュー記事、アンケート原本、Googleの口コミ
事例施策内容と結果をセットにしたケーススタディ
第三者評価資格、認定、受賞、メディア掲載
プロセス実際の作業工程、体制図、使用しているツール

数字を出すときは、対象期間と母数、測定条件まで書いてください。”改善率90%”だけでは、何社中の何社なのかがわからず、かえって信頼を損ないます。

USPを起点に検索キーワードとコンテンツ設計を組み立てる

ここがUSPとSEOが直接つながる部分です。

キーワード選定を検索ボリュームの大きい順から始めると、どの会社も同じ言葉を狙うことになります。結果として、上位表示できたとしても自社に合わない読者を集めてしまう。

USPが定まっていると、キーワードを取捨選択する基準ができます。

先ほどの自社例でいえば、対象を地域密着型サービス業に絞ったなら、狙うべきは”地域名+業種+SEO”や”サービス業 集客 Web”といった軸です。ボリュームの大きい”SEO対策とは”は捨てる判断ができる。

そのうえで、サイト全体を同じテーマ軸で設計します。

  • サービスページでは、USPをそのまま構造化して説明する
  • 事例ページでは、対象顧客と同じ属性の事例を並べる
  • 比較・選び方の記事では、検討段階の読者を拾い、自社の判断軸を示す
  • ノウハウ記事では、USPに関連する領域だけを深く書く

自社データ、独自調査、実務経験といった一次情報を公開できると、他社が再現できないコンテンツになります。Googleが示している、人のために作られたコンテンツを評価するという方針とも整合します。

生成AI検索を見据えて、情報の持ち方を整える

ChatGPTやGoogleのAIによる要約経由で情報を得る読者が増えています。この経路で自社が言及されるかどうかは、これから無視できない要素になります。

現時点で確実に言えるのは、AIが読み取りやすい形に情報を整えておくことが前提条件になる、という範囲です。構造化データを入れれば引用されるといった因果関係は証明されていないので、そこは切り分けて考えてください。

やっておいて損がないのは次のような整理です。

  • 各セクションの冒頭に結論を置き、後から理由を説明する
  • 見出しの階層を崩さず、内容と一致させる
  • 会社情報、料金、対応範囲をテキストで明記する(画像内の文字は読まれない)
  • よくある質問を、質問と回答の対で用意する

構造化データ(OrganizationやFAQなど)の実装も有効ですが、表示や解釈の条件は限定的です。施策の中心ではなく、整備の一環として位置づけるのが妥当だと考えています。

広告・SNS・営業資料まで同じ約束で統一する

Webサイトでは対象を絞った専門性を打ち出しているのに、広告では”何でもやります”と書いてある。こうしたずれは、実際によく起きます。

読者は複数の接点を経て問い合わせに至ります。どこかで受けた印象と、次の接点で受ける印象が違えば、そこで信頼が削られる。

チャネルごとに表現を変えるのは問題ありません。文字数も読者の温度感も違うからです。ただし、顧客への約束そのものは変えないでください。

公開後に検証する指標と改善サイクル

USPは仮説なので、反応を見て調整します。見るべき指標を挙げます。

指標何がわかるか
ファーストビューのCTAクリック率USPが読者に響いているか
問い合わせ率サイト全体の説得力
商談化率・受注率集めている読者の質が合っているか
失注理由約束の内容と顧客の期待のずれ
指名検索数認知としてUSPが定着しているか

アクセスは増えているのに商談化率が下がっているなら、集めている読者層とUSPがずれています。逆に問い合わせ数が減っても受注率が上がっているなら、絞り込みが機能している証拠です。

数値だけでは理由がわからないので、受注した顧客への「決め手は何でしたか」というヒアリングを並行してください。ここで返ってくる言葉が、次のUSPの材料になります。

USPに関するよくある質問

USP設計の相談を受けるなかで、繰り返し聞かれる質問をまとめました。着手する前の確認に使ってください。

回答は一般的な考え方であり、業種や競合状況によって最適解は変わります。自社ならどうか、という視点で読んでいただければと思います。

Q. USPは日本語で何と訳しますか?

一般には”独自の販売提案”と訳されます。文脈によっては”独自の売り””独自の強み”と意訳されることもありますが、提案・約束というニュアンスが抜けると本来の意味から離れてしまいます。

Q. USPとキャッチコピーは同じものですか?

<b>Q. USPは日本語で何と訳しますか?</b>

一般には”独自の販売提案”と訳されます。文脈によっては”独自の売り””独自の強み”と意訳されることもありますが、提案・約束というニュアンスが抜けると本来の意味から離れてしまいます。

<b>Q. USPとキャッチコピーは同じものですか?</b>

違います。USPは顧客への約束の中身で、キャッチコピーはそれを伝えるための表現です。中身が固まっていれば複数のコピー表現を試せますが、逆の順序では作れません。

<b>Q. 自社に独自の強みがない場合はどうすればよいですか?</b>

まず、本当にないのかを疑ってください。自社では当たり前になっている作業や対応が、顧客から見ると希少というケースが大半です。既存顧客3〜5社に「なぜ当社を選んだのか」を聞くと、想定外の答えが返ってくることがよくあります。

それでも見つからない場合は、要素の掛け合わせと対象顧客の絞り込みで作ります。単独の強さがなくても、組み合わせと限定によって独自の位置は作れます。

<b>Q. USPは複数作ってもよいですか?</b>

サービスラインが複数あり、対象顧客が明確に分かれているなら、それぞれに設定して構いません。ただし同じ顧客に対して複数の約束を並べると焦点がぼやけます。1つの接点につき1つ、が原則です。

<b>Q. BtoB企業にもUSPは必要ですか?</b>

必要です。むしろ検討期間が長く関係者が多いBtoBのほうが、社内稟議を通す担当者に”他社ではなくここを選ぶ理由”を渡す意味が大きくなります。

<b>Q. USPはどのくらいの頻度で見直すべきですか?</b>

決まった周期はありませんが、年に1回は競合の訴求内容と自社の受注・失注理由を突き合わせて確認することをおすすめします。競合が同じことを言い始めていたら、その時点で独自性は失われています。

まとめ。USPは”自社の自慢”ではなく”顧客への約束”

USPとは、自社だけが特定の顧客に約束できる独自の価値提案です。自社の特徴を並べたものではなく、顧客にとっての選ぶ理由として翻訳された1文を指します。

作り方の流れを短く振り返ります。顧客と利用シーンを具体化し、自社の強みを棚卸しし、競合と代替手段を調べ、3つの重なりを探し、ベネフィットに翻訳して1文にする。そして完成後は、Webサイトのファーストビューとキーワード設計に落とし込み、反応を見ながら更新していく。

今日できる最初の一歩として、既存顧客3〜5社に「なぜ当社を選んでくださったのか」を聞いてみてください。フレームワークを学ぶより、この30分の会話のほうが早くUSPの輪郭が見えることがあります。

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USPを言語化できたとしても、それがWebサイト上で読者に伝わっているかどうかは別の問題です。社内では明快なつもりでも、初めて訪れた人には届いていないことが少なくありません。

そこで、<b>無料のウェブサイト診断</b>を用意しました。サイトのURLをお送りいただくだけで、次の内容をレポートにしてお返しします。

  • ファーストビューでUSPが伝わる設計になっているか
  • 主張を裏づける根拠が、適切な位置に配置されているか
  • 競合サイトが打ち出している訴求内容との比較
  • 現在流入している検索キーワードと、USPとのずれ
  • 改善すべき箇所と、着手する優先順位

費用はかかりません。診断結果をもとにご自身で改善していただいて構いませんし、手が回らない部分だけご相談いただくこともできます。

強みはあるはずなのに問い合わせにつながらない、競合との違いをうまく言葉にできない、サイトを作ってから一度も見直していない。ひとつでも当てはまるようでしたら、下記フォームからお気軽にお申し込みください。

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